わたしは、それが気に入ると、同じ作家の本を読む癖があります。
本に限らず、それは食事も一緒です。
その食べ物やさんごとに、とびきりのお気に入りを見つけてしまうと、それしか注文しないのです。
たまに、違うものを頼んでも、食べながらもそのお気に入りの料理のことを考えてしまうのです。
今食べているものに集中できなくなります。
本もまた、新しい作家の作品を読んでいても、好きな作家の文章、言い回しや表現方法が恋しくてしかたなくなって、最後まで読みきれないのです。
いま読んでいるのは、わたしが一番好きで、好きでたまらない、江国香織(くに、はこの国でなく難しいほうです)さんの、”がらくた”。
そんなわたしなので、そんなにたくさんの小説を読んで見つけたわけではないから、一番すき、というのがおかしいかもしれないけれど、きっと、世界中の小説を読んだとしても、わたしにはこれ以上の人がいないと思っています。
情景描写や、言い回し、ストーリーの展開、セリフのひとつひとつ、もう、隅からスミまで、完璧なのです。
わたしの頭に言葉がはいると、瞬間にどんどん風景が広がって、匂いさえ感じられるくらい。
そして、自然に。
恋愛がテーマなものもあれば、親子関係がテーマだったり、ときには小鳥がしゃべる話しだったり。
どの作品にも出てくる女の人に、いつもわたしは憧れる。
そして、ひどく共感する。
大人びていて、色っぽくて、でも少女から抜け出せていない。(逆に、登場する少女は大人びている)
そして、きっと男の人から観れば残酷かもしれない。
わたしがこの人の作品でいちばん好きな作品。
文庫本のカバーも、好き。母子家庭の、母と娘のはなし。
これもまた、色っぽくて、でも少女から抜け出せていない母と、考え方がませた小学生の娘。
2人が語り手になったものが交互に出てくる構成。
最後には娘がどんどん成長していって、母を超えて大人になっていくのがとても切ない。
このひとの作品のエンディングには、おわりがない。
ハッピーかバッドか、そんなことは分からない。
きっと、誰にも。
読み終わっても、どこかでずっと彼らの生活がつづいている気がするのです。
x moe
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